目利き食道産地レポート ぶりとろ加工場社長直撃インタビュー ~ぶりへのこだわり~1

ぶりとろが商品になり、発送される加工場 社長のこだわりを聞く

「ぶりとろ」を生産しているのは三重県尾鷲市に本社がある尾鷲物産(株)
ぶり、かんぱち、たい、まぐろ、と日本でも屈指の養殖、畜養を手掛けておられる加工会社です。
なんと年間に出荷する魚は100万尾。
尾鷲物産(株)小野社長に「ぶりとろ」の美味さのワケを直接聞きたい、ということで当店バイヤーまえだが尾鷲市へ。
普段は魚のことを語りだすと紀州弁で圧倒されるくらい豪快にお話になる小野社長も少々緊張されているご様子。
「ぶりとろ」のこと、尾鷲市のこと、工場の強み等々、直撃インタビューです。

  • 三重県尾鷲市ってどんなとこですか

まえだ こんにちは!今日は「ぶりとろ」のこと、工場のことを聞かせてください。よろしくお願いします!

小 野 はい、よろしくお願いします。

まえだ ここは三重県の尾鷲市なんですが、漁業、林業が盛んなところだと聞いてますが、町の特性ってありますか?

小 野 うーん、まさにその二つしかないよ(笑)

まえだ 人口はどれくらいなんですか

小 野 今は2万2000人くらいかな。私が中学生の時は3万3000~4000人くらいいたけどね。

まえだ 社長は尾鷲市のご出身なんですか?

小 野 いや、隣町の出身ですよ。尾鷲市にきたのはこの仕事を始めてからだね。

  • ぶりとろのはじまりと美味さのワケ

まえだ ところで「ぶりとろ」の生産をはじめたキッカケってなんですか?

小 野 8年前かな・・・回転寿司のお店の方とスーパーで総菜の寿司ネタとして売りたい、という方がいて、ぶりの「腹身」だけくれないか、という話があったのがはじまりかな。

まえだ そのぶりの腹身が「ぶりとろ」ですよね。

小 野 そうそう、それがスタートだったね。

まえだ それはまぐろで言えば「大トロ」の部分だけほしい、とか魚を一尾丸ごとではなくて、おいしい部分だけをほしいという要望が多かったということなんですか。

小 野 まあ多かったというか、その2件だけだったんだけど(笑)ただ1年目はそんなめんどくさいことできるか!と言ってやらなかったよ(笑)わざわざ腹身のところだけ出荷するより1尾丸ごと出荷するほうが楽だからね。

まえだ でももう8年目になるんですよね。「ぶりとろ」のおいしさの秘密を教えてください。

小 野 そうですね「脂が多い」ことでしょうね。だいたい毎年11月頃からが旬になるので販売をするんです。その時期になると腹身の脂質が25~30%になるんだよ。
まぐろのとろというのは脂質が40~50%なんだけど、まぐろとはまた違った美味しさがある。脂のしつこさがないからね。
それに他の魚ではこの「ぶりとろ」と同じくらいの脂質がある腹身をもつ魚はいないですね。とても旨みがあります。

それにウチのぶりは「ぶりとろ」だけがおいしいんじゃないよ(笑)
背肉の部分も切り身にしたときに形がいい、おいしいと評判がいいんです!
カマの部分も脂が多くて煮たり焼いたりするとうまい!去年はいろんな客先にカマを60万個(!)くらい販売したよ。

【次ページへ続く】社長の信念と衛生面へのこだわり

ページ上部へ戻る