目利き食道産地レポート ぶりとろ加工場社長直撃インタビュー ~ぶりへのこだわり~2

社長の信念と衛生面へのこだわり

  • 社長の信念ここにあり

まえだ ぶりを扱う他の水産加工業者は「ぶりとろ」を販売してはやめ、販売してはやめ、を繰り返しているみたいなんですけど(ぶりとろだけを売ろうとすると他の部位、例えば背肉やカマばかり余ってしまうため)どうして尾鷲物産さんだけが継続して販売ができるんですか?

小 野 社長の信念やろ(笑)いやまあ三重県てのは日本の真ん中にある。だから夕方6~7時くらいの遅い時間まで注文を受けても各地に翌日配送ができる。いろんな部位を均等に売るというのは非常に難しいことなんですが、そのおかげかな。
でもやっぱり「欲しい」と言われたらその商品をお届けするのが私の信念だよ。

まえだ 翌日に配送できるということは、加工してから店頭やお客様のところへ届くまでの間に新鮮さが保てるということですよね。

小 野 そうですね。おいしさを保ったままお届けできますね。それがウチの強みだね。

  • 安心して食べられる商品をつくりたい

まえだ 加工場を見せてもらったんですが、衛生面にはかなり気を使っていらっしゃいますよね。
*SQFや*HACCAPのライセンスも取得されているとのことですが、いつ頃からそういう取組をされてるんですか。

小 野 *SQFは認証を受けたのが今年の7月で、1年半くらい準備期間がありましたね。*HACCAPの認証を受けたのが3年前かな。

まえだ それからは従業員の方の意識にも変化がありましたか?

小 野 それはものすごく変わった。加工場の衛生管理や製造過程の管理というのはすごくお金がかかることだけど、必要なことだ何より安心して食べられるものをつくりたいからね。

まえだ いわゆる「さかな」を加工している工場で衛生面の管理に関するライセンスを取得しているところはあるんですか?

小 野 鮮魚の加工で取得しているのは日本国内では当社1社だけです。練製品(かまぼこ等)とかを製造している加工場では数社ありますけど。食肉の分野で取得している会社さんは多いね。


*SQFとは
Safe Quality Foodの略称。安全で高品質な食品の意味で、危害分析による危害因子の低減、作業基準・作業手順の標準化で品質の安定と高品質化の実現、作業者教育による安全品質意識の高揚、システムの維持管理監査による継続的・発展的システムの定着などを実行することによって、お客様の安心と信頼を得ようとするもの。
*HACCAPとは
1960年代に米国で宇宙食の安全性を確保するために開発された食品の品質管理の手法。食品の製造工程全般を通じて危害の発生原因を分析し、重要管理事項を定め、より一層の安全確保を図る科学的管理方式。

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